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動物病態生理学研究室の富田幸子教授がDevelopmental Dynamicsに学術論文を発表しました(2022/10/14 配信)
動物病態生理学研究室の富田幸子教授がDevelopmental Dynamicsに学術論文を発表しました。
この研究では発生初期の羊膜について述べています。 胚を包み羊水を保持している薄い羊膜の原基は体壁葉から形成されています。
本研究チームはすでに羊膜原性体壁葉細胞(ASC)が羊膜を形成するだけでなく、胚内に移動して心筋細胞や血管内皮細胞に分化することを報告しています。しかし、この胚内ASC(以下、iASC)の詳細な分化過程や最終的な分布はほとんどわかっていません。
この研究ではウズラ-ニワトリキメラ胚の解析により、iASCが心筋細胞、平滑筋細胞、心筋間質細胞、血管内皮細胞など様々な種類の細胞に分化することを明らかにしました。
咽頭領域では、甲状腺に選択的に分布し、血管内皮細胞に分化して甲状腺内血管を形成していました。摘出培養実験から、iASCの内皮分化には線維芽細胞増殖因子(FGF)と血管内皮増殖因子(VEGF)のシグナル伝達が順次必要であることが示されました。さらに、単一細胞のトランスクリプトーム解析により、ASCs内の不均一性とヘモアンジオブラスト様細胞集団の存在が明らかになり、FGFからVEGF受容体への遺伝子発現の切り替えが確認されました。
この研究は、特に心臓と甲状腺の発生におけるASCssの新しい役割を実証しています。これは発生学的、進化学的観点から羊膜動物の心臓血管の発達を理解するための新しい手がかりを提供するものでしょう。
論文発表の概要
著者名:Yuka Haneda, Sachiko Miyagawa-Tomita, Yasunobu Uchijima,Akiyasu Iwase, Rieko Asai, Takahide Kohro, Youichiro Wada, Hiroki Kurihara
研究論文名:Diverse contribution of amniogenic somatopleural cells to cardiovascular development: With special reference to thyroid vasculature.(査読付)
Developmental Dynamics, 2022, 1-19 PMID: 36038963 DOI: 10.1002/dvdy.532
富田 幸子(とみた さちこ)
動物病態生理学研究室 教授/医学博士・獣医師
心臓・血管発生などの循環器発生学が専門分野。
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